【a_talk-episode 14】
・・・東山動植物園探訪・・・ | ||||||||||||||||
まだ寒さが身にしみる今日、名古屋市の中心街とも言える地区(千種区)にある東山動植物園に来ている。この東山動植物園とは、東山公園内にある市営動植物園で、その敷地面積は59㌶にも及ぶと聞く。また、これは2010年の統計資料で、この東山動植物園の入場者数は約218万人であり、この来場者数は東京の上野動物園に次ぐ数字で、展示も動物550種15,690点、植物230科7,000種(2009年現在)となっている様である。凄いものである、この規模をこれだけの市街地の中で・・・。
ふと周りを見ると、まだ時間も早いのか、園を歩いているお客も少なく、閑散とした風景が続く。ただ市街地にある動植物園らしく、園に隣接する住宅地域には多くのマンションや住宅が迫って来ているようにも見える。これは昔(約30年前)に聞いたことなのだが、この地域に住む住民は、朝等動物の鳴き声が聞え少し神経を研がされていると。多分、この公園が整備された時は、この回りは、単なる山や雑木林が広がる自然がいっぱいだったとは思うのだが。また、昨年等に起きた猿の脱走事件等気になることは、今でも続いているのかも知れない。
その様なことをふと思いながら動物園内を回りはじめて気がついた。以前は動物との距離が檻や堀等で仕切られており、その距離感がとても遠くかじられたのだが、やはり北海道の旭山動物園の影響なのか、動物との距離を無くす為に色々な工夫がされており、その距離感もそこそこ解消されているのである。
ますはライオン舎である。間近にその生態を見ることが出来る。身近に見える凄い迫力と、毛並みなどその鬣の毛が1本1本見えるのである。これは驚きである。ただ、コアラ舎やシロクマ舎やその他の動物の舎等、色々と改善はされているが、まだ道半ばのように見える。コンセプトをしっかりし、それに邁進する表現や表情を見たいものである。 ほんとうに動物の表情が近くで見え、その存在感を実感出来るのは何とも嬉しい事か。この騒がしい世の中で、一瞬の清涼感等味わえる空間であって欲しい。
それにしても動物の表情や表現とは、何と面白いものか。愛嬌のある顔で迫ってきて餌をほしがったり、その反対に、猿は少しでも変な行動をするとすぐに威嚇してきたり、はたまたライオンのように人間が近くにいても、威風堂々で動じない姿等を見せたり。また近づくと、その人間をおちょくっているのか、その動物がおしりを見せるので何かなと思っていると、近くにいた他のお客より「あぶない・・・。」と声がかけられ、気がつくとおしっこを引っかけられる等の悪戯が出来るヒョウなど、悔しいが面白い。何となく今の人間が社会に見せる表情と似ているかも・・・。(人間も地球にしてみたら動物の一種か・・・。)ただ、人間の場合の悪戯は、愛嬌が有って面白いでは済まされない部分が多くを占めてはいるが・・・。
また、コアラ舎ではコアラの主食であるユーカリの木の育成にかなりの経費がかかるようで、その育成基金を一般公募(東山動植物園サポーター制度)したり、また猿舎の猿脱走事件でその塀等改善したり(これは個人的感想なのだが猿舎の以前の塀の高さ等施設を見ると、猿にいわせると、猿を甘く見るなと言いたげな行動であったと思うのである。猿の運動能力を想像すると見えてくるのである。脱走が・・・。)等、経費のかかる事項も山積していると思われる。
園内も然り、園外との調和も必要である。木々などが伐採され、この園を取巻く環境が段々と悪くなってきているように見える。やはり自然な環境(園内から回りの住宅等見えない工夫をする等)造りが必要に成ってくるのであろう。名古屋市の人口とほぼ同じ入場者数を誇る東山動植物園。これからのテーマパークとしての地方自治体名古屋市の実力は如何ほどのものか見ていこうではないか。 Photographer 岡田 朗 |
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