【a_talk-episode 34】
・・・孝行伝説の残る養老の滝を訪ねて・・・ | ||||||||||||||||||
朝靄の中、ふと気がつくと目の前に迫る大きな滝が現れ、その存在をゆらゆら示すように何処やらでお酒の臭いがする気になる情景に出会ったと思う気持ちになった。そうここは孝行伝説で有名な養老の滝である。 岐阜県養老郡養老町にあり近くには養老公園があり広大な敷地にも関わらず芝生等の管理は行届いており、日頃のストレスから解放される清々しい気持ちになる空間を与えてくれる。またこの公園には天命反転地という面白い空間も設置されている。内容については説明が難しいので省くが天と地が逆転しているように見える空間であると言うことと感じてはいるが…。
養老の滝に近い公園駐車場からおよそ滝までの距離は1.2qで徒歩30分位かかると唱われているが、いざ登ってみると以外と急斜面で、中々快適なハイキングとはいかない。(川沿いにはお土産物等軒を連ねている賑やかな場所もあるが…。)同じ時に登りはじめたお年寄りの団体客が、何回も歩みを止め、息を整えて登る姿を見ると、滝を見るのも中々大変である。(親孝行で、される側の親に取っては、孝行伝説の滝を見るのに中々大変な道のりである。)ただこの滝を見に行くのには徒歩で登る方法と、あまり役に立っているとは思えなかったのだが、リフトでいく方法がある。健脚でないお年寄りの方には一つの方法かもしれない。
汗をかきながら息を高めながら多分約20分位を掛けて急な斜面を登り一歩一歩滝に向かって歩みを進めていくと、そこには名古屋から一番近いと思われる養老山系から、その水源をいただき、落差約30m、巾約4mの滝が現れる。富士の白糸の滝や南紀の那智の滝ほどの勇壮感はないが、心を癒してくれるのには十分な滝である。 この滝に纏わる伝説が「【平安の物語】老いた父に酒を!孝行息子の養老の滝伝説」だそうである。この滝の近くの湧き水がお酒に変ったという夢みたいな伝説なのだが、水がお酒に変ることはさておき、「孝行」と言う言葉は昨今とんと見受けられなくなったように思われる。昨今は子が親を殺したり親が子を殺したりする時代である。「孝行」という言葉が少しでも日本人の心の片隅に残っていることを期待するのは自分だけか…。(親や子と言う関係だけではなく思いやる気持ちは無くしてはいけない心なのでは。)
また、この近くの養老公園で足を止めて色々と園内の施設(養老天命反転、子供の国等)を散策するのも良し、天気が良ければ綺麗に手入れの行届いた芝生広場に寝転がって色々と思い葺けるのも良いのかもしれない。一日のんびりと過ごせる場所なのかもしれない。(ゴルフに興味のある人であれば養老パークゴルフ場等の遊び場もある。) ただ、養老の滝伝説のように、色々と伝説の残る場所で古き良き日本人の生活スタイルを思い出し、頭上の知恵のみで齷齪せず、儲けることばかり考えている昨今の日本人(排他的日本人)の状況を見るに、本当は汗水を流し、額から汗も流して働いている人々の一つの知恵に成る事を祈って・・・。気薄に成った日本人同士の、昔に戻った心の通う暖かい付合い方、はたまた助け合い方等の精神が、グローバルという言葉に負けず復活するのを祈るのみである。 Photographer 岡田 朗
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