【a_talk-episode 39】
・・・「夢」の原子力発電所を訪ねて・・・ | |||||||||||||||
2月のとある日の雨の降りしきる中を一路御前崎方面を目指し突き進むと、そこは荒涼とした浜岡砂丘の中、そこに畏敬を放つ浜岡原子力発電所が存在感を示すように立っていた。
書くまでもないと思うのだがこの浜岡は静岡県御前崎市に位置し突き進むと御前崎の灯台に着く。その海岸線は、砂丘と言うに相応しいのかどうかは個人的感覚があるかもしれないが、砂丘と命名されその荒涼とした海岸線は、浜松方面から伊良湖岬までなだらかな曲線を描き、しかし太平洋という事もあって荒々しく波が押し寄せるラインが続く。遠州灘である事を思うと荒々しさも頷けるのである。
今、原子力発電所を取巻く環境はすこぶる良いというわけではない。そのためには企業努力と国家の後ろ盾を頼みに色々な事を試みようとしている。今回はその原子力発電所の一つである浜岡原子力発電所を訪ねてみた。
浜岡砂丘に立つその建物は、他の原子力発電所と何ら変わらない建屋で、長方形の立方体が幾つかに存在する。砂丘から見た光景はグレーの色が重なり有って景色に溶け込み、何ら違和感のある建物とは感じなかった。(建物にヒマワリの絵や何かカラフルな色彩を使用し建物そのものでも楽しませる工夫があると面白いのだが・・・。)周りには風力発電を行っている風車が何基か設置させられており、原子力と自然の力の形が溶け込んでおり何ら違和感のないように見る事が出来る。 中々絵になる風景の一端を見せられた気がするのだが、その中に一点気になるのが見えていた。それは、海岸線から見ると津波等に備えて防波壁を作っているとは思うのだが、広大な海と比べるとその迫力が少し見劣りするような感じなのである。以前、聞いたところによると、確か18メートル程度の津波用の防波壁と思うのだが、まだ未完成とは思うが対自然を思うともう少し「えっ・・・」とか「すご〜い」があっても良いのではないかと個人的には感じてしまった。 原子力は地球上にある夢のエネルギーの一つであると思っている。まだ未知なるものも多数あると思うがそれらを乗越える英知こそ人間に与えられた頭脳と思う。放射能という目に見えないものが人間にとって一番怖い存在なのだろうとは思うが(幽霊や超常現象も怖い存在の一例ではないかと・・・。少しずれたかな・・・。)、それを乗越える力が人間にはあると信じる。
砂丘の海岸線から見た光景の中で、改めて感じ思った事は、防波壁を造るならそれ相応の迫力が感じられるものを、頭上の知恵ではなく現地で感じて創作してほしいものである。 そして、その次は公に知らしめる手法である。最先端の科学技術を施したこの施設のピーアールが少し残念ではあるが余り見えてこないのである。知らしめる方法は何かと言えば、それは現場を個々の感性の映像で知らしめるという手法である。文字(文章)や絵(イラストなど)とかで表現(当り障りのない文章やイラスト等での提供や簡易的な映像等)させるのではなく、国民個々(ランダムに選ばれた20名程度の人数。国民総背番号制であるので容易く選出できる。)のリアルな映像で表現する事である。映像には誤魔化しがきかないからである。(マスコミの取材は色々な思惑が絡み、編集等で必要な部分が削られる場合があり信憑性が欠ける部分が出てくる場合もあると考えるからである。)企業秘密や国家的秘密箇所以外の見たいところを見てもらうという対応である事が重要であり、そこには企業側の立ち入りをせず行わせる事が重要である。多くの国民に夢と希望を与えるべきである。
ところで、約20年前に取材でやはり浜岡原子力館を訪れ展示物等で少々の感動があったのだが、今回それと同じようなものが有ったようだが、それを見たとき、やや古くささを感じてしまった。長きに渡り展示できる重要なものとは思うが、展示方法等でリニューアルすることも必要なのではないだろうか。最先端の科学技術を見せる為に・・・。(科学技術も発展しているが見せ方の技術、造形の技術も発展している。) 原子力発電の安全神話を実践する為に個々の目で確かめさせるという事は最低でも必要だと考える。トロッコバスに揺られ発電所内を見学させるのもテーマパークではないけれど一考の余地があるのでは・・・。これからの最先端科学力に期待したい。 Photographer 岡田 朗 |
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