【a_talk-episode 4】

・・・名古屋港ガーデン埠頭・・・
 とある晴れた日にふと思い立って名古屋港に行こうと思い立った。何故か・・・。それは名古屋の玄関口の一つで他ならないからである。自動車産業、工作機械、航空宇宙産業などものづくり中部での海の玄関として外国との取扱貨物量・貿易額は日本一だそうである。これほどの外国との深い繋がりのある、その盛況な港を見るために名古屋港に数々ある埠頭の中で、今回はガーデンふ頭を尋ねてみた。


 このガーデンふ頭には各種の公共施設が幾つかある。港警察署と水上警察署(今は港警察署と一緒に成ったと聞く。)や、名古屋港を運営している名古屋港管理組合ビルと名古屋港税関や農林水産省植物防疫所等の国の機関が入っている名古屋港湾合同庁舎等の行政機関施設、名古屋港水族館やシートレインランドという遊園地とJETTY(ジェイティ)というショッピングモールなどの商用施設や名古屋ポートビルなどの港湾関連施設やガーデン埠頭臨海緑園等の公園などがある。


 ここを尋ねてまず最初に驚かさせられたのはガーデンふ頭臨海緑園や名古屋港ポートビル付近などに総じて大きなゴミ等が落ちていないのである。綺麗な環境がそこには存在したのである。また、良いタイミングで有ったのかガーデンふ頭には客船「PacificVenus」が停泊しており、船旅に夢をはせる最も良いシチュエーションと、南極観測船「ふじ」付近や名古屋港水族館、シートレインランドを見て回ったのだがこちらも非常によい景観で有った。名古屋の海の玄関としては堂々と胸を張れる状況ではないか。


 ただ、ここで1点気になる場所があった。それは旧テーマパーク「イタリア村」である。閉園の憂き目にあい、閉鎖された施設で壊れかけた無残な建物がそこにはそこはかとなく建っている。しかし、その建物のなかでもまだまだ息遣いが感じる建物の生き様も見え隠れする。名古屋港ガーデンふ頭の一つの施設で有っただけに少し残念な気がする。ただ、新しいテーマパーク「レゴランド」を河村名古屋市長の肝いりで名古屋港の金城ふ頭に建設する運びになったやに聞く。関東のデズニーランド、関西のユニバーサルスタジオジャパンの様に盛況になれば良いのだけれど少々規模が違いすぎるので何とも言えないが、完成すればどの様な景観を感じ取れるのか楽しみである。


 新しいテーマパークの出来映えも必要だが、それを取巻く環境も重要なファクターだ。あまり周りの喧騒(工場、高速道路等の既成物)が見える場所には作って欲しくない。折角のテーマパークで夢を与えられる場所で喧騒と言う現実が見えると興ざめしてしまうのである。本当ならば蒲郡のセントレアやその前島あたりに作って頂けると心が落ち着くのではないか。周りに都会的喧騒のない場所であれば夢の国が夢の国で終わるのだけれど。(旅への心を誘える。)ガーデンふ頭に有った旧テーマパーク「イタリア村」はこれらが影響したのではないかと感じる。私自身も夏に友人とこの場所のレストランの屋外テーブルで港の夕景を見ながらビールを味わったのだが、どうも景観等で少し味気ない気持ちにさせられた記憶がある。やはりテーマパークそのものは良いに超した事はないがその周りの景観が何よりも重要なファクターではないかと改めて考えさせられた。名古屋港水族館の盛況さは館内での催し物が多いので周りの環境には影響されないのかもしれないし、またシートレインランドという遊園地はそこで行動を起こす場所なので周りの環境にはあまり影響されないのだろう。ただ、JETTY(ジェイティ)という商用施設も然り。施設が完成した当初は大変盛況だったやに見えたのだが今は申し訳ないが盛況とはほど遠いように見える。


 名古屋港という立地条件の中でこのガーデンふ頭が占める役割は何なのか、本来有るべき姿とは何なのか見極めていこうではないか。一つの地域、一つの施設等それらの盛衰は限りなく繰り返される。やはり知恵を絞って動かなければ、周りの重要なファクターを加味していきながら・・・。期待したい。 Photographer 岡田 朗


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