【a_talk-episode 5】
・・・瀬戸デジタルタワー・・・ | ||||||||
2012年5月、東京の下町に巨大なデジタルタワー「東京スカイツリー・634m」が完成し、タワー関連の商業施設や電波の送信等が本格的に運用が始まるそうである。昨年の7月にアナログ放送が終わりデジタル放送に移行されてから早1年が過ぎようとしている。漸く東京近郊のデジタル放送の形が見えてきたように思える。(ただ、アナログと比べて一つの大きな電波塔が有れば遠くまで電波が届き網羅されるというものでも無さそうである。数多くの小さな中継電波塔が存在する。Dpaのホームページをみるとそこには大小折交えた多くの中継電波塔が存在する。)
ここ名古屋でのデジタル電波の状況はと思い、名古屋の栄のど真ん中に鎮座するテレビ塔を思い浮かべてみた。ただこれはアナログ放送の電波塔であってデジタル放送の電波塔にするには無理があったようである。そこで新たに瀬戸の幡中町に新しい建設用地を求め、(名古屋の東山タワーや中京TV付近にも当初は建設や用地を求めたようであるが・・・。残念。)土に塗れた広大な敷地がありダンプカーの行き交う場所の一角で近くには民家等無く盛況さを感じられない場所に「瀬戸デジタルテレビ放送所(Dpaでは名古屋局という名称。)」が建てられた。以前(2002年6月くらいだと思うのだが・・・。)に起工式で、この瀬戸の工事現場へ行った時の事で、道に迷ってしまうぐらい行きづらい場所であったのを思い出したのである。また土煙や泥で大変だった思い出の記憶も蘇ってきた。そのデジタルタワーの完成を見ていなかったので今回改めて尋ねる事にした。
在名の民放4局(東海TV、CBC、中京TV、メーテレ等)とNHK名古屋のデジタル放送の電波はここから送信されていると聞くが、このタワーにたどり着くのが一仕事である。道案内看板が分りづらいのである。そして、ようやくたどり着くと、そこには質実剛健であるというこの地域特性の結晶なのか少しのデザイン性と鉄骨で出来た見栄えの良い美しいデジタルタワー(245m)が完成されていた。ただ残念ながらここには東京スカイツリーみたいなショッピングモールやタワーの展望施設など華やかな夢をうる場所は一切無く、デザイン性が良い無機質な塔が立っている。名古屋の放送局が力を結集して仕上げたデジタルタワーであるので少々の華やかさと夢を与える空間を期待したのだが・・・。
栄のテレビ塔を振り返ると、テレビ塔そのものも華やかで、周りの環境然り、栄の街という華やかさと都会的センスの良さが漂うビル群といい、そこには夢を与える環境が十分事足りるものであった。人間が古いのかもしれないが、やはり「テレビ」「テレビ局」と言う言葉の響きから連想させられる華やかさや夢が有っても良いのでは感じるのである。 瀬戸市という立地条件を加味し、愛知万博で培った「自然の叡智」を思い浮かべながら、いかに夢を与えられる空間を作れるか探求し追求すべきでないかと考える次第である。東京のスカイツリーにはないここだけのものは必ずあるはずである。これから先何年もデジタルタワーはそこに存在するのだから今からでも遅くはない。タワーそのものの夢を与える空間への変貌とそのタワーを取巻く地域環境の夢を与える空間への変貌を節に希望したい。(但し地域住民の方の生活環境を絶対に壊してはならない。)
最後に、やはり一度は瀬戸デジタルタワーを尋ねる事をおすすめする。何故ならこの地域で自分たちが見ているデジタルテレビ放送の電波が送信されている塔なのだから。なかなかたどり着けない迷路かもしれないがそれも一興である。 Photographer 岡田 朗 |
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