【a_talk-episode 44】

・・・安城市のデンパークを訪ねて・・・

 8月の最高気温が37℃を超えようかとしている時、その暑さに勝るともの思いで、安城市の「デンパーク」を訪ねた。と言うのも、以前から日本のデンマークと唱われてきたその町の産業の姿が、ここに集約されているのかと感じていたからである。それはどの様に表されているのかワクワクする気持ちを抑えながら、そのドアをノックし扉を開けてみよう。


 因みに、その概要は、公園の主体は安城市であり究極的には安城市民の憩いの場である公共の公園という事になる。その住所は安城市赤松町梶1であり、正式名称は「安城産業文化公園」で、文字通り田園の中に広がる日本のデンマークと云われている田園、伝統が織りなす各種産業のテーマパーク「デンパーク」が広がっていた。


 ただ自分の想像していたよりは少し違ったイメージがそこには存在した。それというのも、日本における安城は、日本のデンマークと称されたぐらい農業が盛んな地域で、日本の農業経営モデルの一翼を担っていたと聞くからである。

 田畑や畜産関係の体験が出来、それの恩恵に預かった生産物の販売等で、来場者たちの有意義な一日を過ごしてもらえる計らいがそこには存在すると感じたからである。公共施設で有るにも関わらず、そこに入るには幾ばくかの入場料が発生する。ただ、それは園内に入ると納得できるだけのものが目の前に広がるのである。手入れの行き届いた芝生、花壇や果樹園もその造りは、見る者を堪能させる。



 この公園内の花木は3,300種類と30万株が存在すると聞く。それはそれを生かした見事なレイアウトである。と、ここまでは、手入れの行き届いた公園で有れば、他でも見る事は出来るのだが、それプラス、牛や豚、馬、鶏等動物と触れ合う事の出来る空間が有れば尚更良いのではと感じるのは自分だけだろうか・・・。せっかく日本のデンマークと唱っているのならば、花木や子供たちの遊園地、はたまた風車等のオブジェだけではなく、動物とのふれあい体験出来るゾーンや動物園ではないにしても、田舎での暮らしの中にどの様な動物が関わっていて、どの様な役割を果たすか等実践的な見地から、少し見せ方を見直すのも良いのかもしれない。ソーセージ造りや母牛からの乳搾り体験、子牛や山羊、羊、鶏、ロバ等小さな子供でも触れる小動物との触れ合い体験ゾーン等、ただこれには、「どうぞ出来ますよ」の据え膳だけではなく、それらを行う前のレクチャーや段取りを行う楽しさ等を示さなければ一過性で終わるのは目に見えるようである。


 そう、そこには介在する良きスタッフと人をワクワクさせる道具と施設環境である。(伊賀のモクモクファームが一つの良い例と思うが・・・。)良きスタッフというのはどこにでもいるものではない。ある程度の専門知識を持ち、人との触れ合いを大切に出来、来園者に対して笑顔で対応が出来る老若男女の人々を指すと思うのだが・・・。せっかくの施設で入園料も取っているのであれば、改善しかるべきと思うのだが・・・。(一つ気になる事が有ったのだが、園の入場門・正門の前には、そこに入って来るなと言わんばかりのガードレールが存在する。これでは暖かく来園者を正門から迎える心がどこかで萎えているのでは・・・。)


 来場者数1,000万人を2015年の2月に達成したみたいではあるが年々来場者数が減っているようである。地の利を生かした産業のテーマパークでも有るはずである綺麗な公園は、申訳ないが、いたる所にある。ただ色々な動物との触れ合い体験が出来、またそれに伴う生産物の製造等の体験も出来る場所はそうざらにはない。


 これは余談ではあるが園内の花の大温室と唱われている「フローラルプレイス」の中は、お土産物屋や個性のあるブティク等(デンマークに関する物等)が数店有り、庭園を施された施設だけで花の大温室は何処にも無かった。それと何やら子供モデル撮影をしているスタッフがいたが、一般の来園者には声一つかけなく黙々と作品造りに勤しんでいた。コミュニケーションが取れていないので少々迷惑に感じる部分もあった。そこには色々な花の咲き乱れる温室のお花畑が無かったのである。付け加えるならば、このパーク内には欧風の雰囲気を備えたレストラン等の施設も存在する。

 何はともあれ一度「デンパーク」なるものを訪ねてみるのも如何。  
Photographer 岡田 朗






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