【a_talk-episode 45】
・・・常滑「リクシル(LIXIL)ライブミュージアム」を訪ねて・・・ | |||||||||||||||
小雨の降り注ぐ、朝靄のまだ晴れない中、常滑焼きで有名な場所を目指して進めた。
そうここは住宅用陶器メーカーで、日本の2大企業の一つが君臨するINAXの企業城下町、愛知県の知多半島のなかばで、そしてセントレア(中部国際空港)が目の前に広がる一大商業地域であるところの常滑市である。その街に、タイル研究家の山本正之さんという方より、収蔵の約6,000千点余りのタイルを寄贈(1991年)され、それをINAXが管理と研究と一般公開を任され、「世界のタイル博物館」なるものを完成(1997年)させ、運用し始めたと聞く。そしてこの博物館だけではなく、この敷地の中には「窯のある広場・資料館」「陶楽工房」「建築陶器のはじまり館(テラコッタパーク)」「土・どろんこ館」「ものづくり工房」等を併設させリクシル(LIXIL)ミウジアムパークを形成している。
周りは一般住宅が有るにも関わらず、建物と建物の間にはそれぞれの庭園的空間があり、芝生を張ったお庭は、それはそれとして風情があり一つの区画として綺麗に整備されているのである。そしてこの博物館の特徴として、来場者が観て、学んで、発見することを重きにした日本で唯一の研究型博物館と聞く。 そして設立10周年を記念して1階には古代エジプト、イスラム等の文明が有したタイルでの装飾が施され、2階にはイラン、スペイン、オランダ、イギリス、日本、チャイナ等それぞれの文化の個性を生かした装飾されたタイルが施されている。(1階と2階の展示にはそれぞれのテーマがあり1階は「装飾する魂」、2階は「時空を超えるタイルたち」だそうである。)とても綺麗で心温まり見ごたえが有り、そしてやはり勉強にもなるのである。
そして次に訪れたのは「窯のある広場・資料館」である。ここは文字通り、常滑焼きの行われた窯の展示場であり、その中は炎と煙の高温で焼尽くされた窯であり・・・、なんてことはなく、来場者が心地よく見て回れるように施されている。常滑で古くから焼かれていた土管の展示物や便器等の展示物、はたまた煉瓦造りの窯の中はその空間が楽しめるよう椅子などを配置し、ゆっくり寛げるような施しになっている。(歴史を感じさせてくれる演出が心憎い。心なしか窯の中という事を感じさせてくれる焦げた臭いまでまで伝わってくるのは気のせいだろうか・・・) と言うように、これらのスペースは観て、学んで、発見させてくれる事は多々あるのだと実感をして、ここで一つの体験をしてみようと思いつき、些細ではあるが陶楽工房なるものでタイルを使用したオブジェ作りを行ってみた。ただ予約なしで思い立って作るという事で、人気のモザイクアートやタイル、プチトイレの絵付けは行えなかったが、自由時間という30分位の行程を要するオブジェ作りは体験できた。 何を作ったか・・・。マグネットの表面の飾付けとサービス版サイズの写真用額縁の飾付け体験を行った。係員さんからは30分位とレクチャーを受けたのだがやはりアートである。時間は30分を超え、自由時間に突入してしまった。出来映えは・・・、アートである。このような体験できる施設はここ以外に「土・どろんこ館」もある。やはり予約が必要なのようで朝の時間帯は親子連れが多くみえ、満員御礼で有った様にみえた。
このように色々な体験等が出来るこの施設に入るのには、やはり幾ばくかの入館料が掛り、また体験するのにも料金が掛るが個人的見解では微々たるものである。(リーズナブルな料金設定だと感じたのだが・・・。詳細は個々で・・・。)
今回は色々な制約があったのでリクシル(LIXIL)ライブミュージアムだけに留まったが、この常滑市はもっと街中にも見るべきものが沢山存在すると聞く。観る、学ぶ、そして発見して感動させられる時間を共有するのも良いのかもしれない・・・。 Photographer 岡田 朗 |
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