【a_talk-episode 48】

・・・笹島ライブ24地区探訪・・・

 寒さのゆるむ陽だまりの中、なだらかに揺らいでいる水面を眺めてノスタルジーを感じながら、お散歩してみたい気分と思い立ち、この地を尋ねてみた。


 名古屋港から連なる中川運河の終点でもあるこの付近は、以前から下町情緒のあふれる街並が存在し、これらと運河のコラボでノスタルジーを感じさせる場所でもあった。この笹島は旧国鉄の旅客駅として明治19年に誕生し、昭和61年に貨物駅が廃止されるまで長きに渡り、運河の終点としてのその役目を果たして来たと聞くに、その歴史等の思いが伝わってくるようである。その地に今回は赴いてみた。


 以前、平成17年に行われた『愛・地球博』のサテライト会場として開場された時、その盛況さに驚かさせられてだじろいた自分がそこにおり、また、ライブハウスが出来た時もそこを訪ねた覚えがある。ただ、それら以外は余りよく伺う場所では無かった様にも思えるのである。


 このような名古屋という都心の中の一部取残された空間がありまだ雑然としていたところに再開発という名目で開発が行われようとしている様である。この地区には商業施設、ライブハウス、大学、テレビ局、結婚式場の併設されたホテル、ジャイカ等の施設の勇姿を徐々に表せている。

 その中でも巨大な建造物の勇姿を誇ろうとしているのが建築真っ直中の『グローバルゲート』なるものである。この『グローバルゲート』にはその完成の暁には有名なホテル、オフィス、商業施設が入る超高層ビル(高さ
170M88M棟構想)に成るそうである。(名古屋の有名なスーパーマーケットの本社も入るそうである。)これだけの建屋が出来ると、ますます名古屋駅方面から広小路通りの笹島交差点を通過し移動する人々の混雑が増えるのが目に見えるようである。あおなみ線の笹島ライブ駅を利用する手もあるのだが、やはり名古屋駅からの徒歩で動ける利便性を考えると、歩く人々が多くなるのは納得である。今でも大学等の施設がある為に若い人々の流れが出来ており、その混雑する通路は大学等が出来る前とでは雲泥の差と思えるのである。『グローバルゲート』成る巨大な建造物が完成したときのことを思うと少々苦痛に感じられるかも・・・。



 と思いながら少し別の視点からこの笹島ライブなるものを見てみようと思い散歩を再開した。一つ気になった事があったのだけれど、それはこの笹島ライブに建つマンションの一部を利用した老人ホームなるものを見かけた時である。快適な暮らしになるのかなと・・・。そして水鳥が戯れる中川運河の終点である水辺を見に歩いてみると、その周辺が再開発の為なのか分からないが大きな建築器機が入り大きな音を立て荒々しく旧建物の解体作業等行っていた。(新しい道路を造っているようである。名古屋駅と笹島ライブを?ぐ道路のようである。)建築には必要な事かもしれないがもう少し周りの環境に配慮しながら、一気に周りを工事させるのでは無く、一部分から順に工事を行えば、環境等に配慮し、その水辺の周りで人々が集い水鳥等の飛来があるであろう環境は人の心を和ませる十分な演出が出来るのではと感じる次第である。先ずはその場所の歴史を損なう事の無いよう配慮が必要ではないかという事である。


 笹島ライブ24と言う名目の再開発で、その場の持っていた歴史を損なわないよう新しい建屋でもある『グローバルゲート』なるものが調和し、人々の心温まる新たなる環境が整えられる事を期待する。


 この笹島ライブにもまだ手つかずの荒れたスペースがある。まだ誘致先が決まっていないかもしれないが、出来るだけ今までのよい部分を残し再開発してほしいものである。周辺の整備も然りである。

 心温まる憩いの場と商業施設のコラボが完成すれば、よりよい未来志向が実現できるかもしれない。人が幸せになる為に・・・。

      
Photographer 岡田 朗







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