・・・ポンポコポンと鳴り響く音に誘われて・・・ 新しい道が出来たと云う事で新名神の鈴鹿サービスエリア等を訪ねた後、西へ西へと進み、何処かで太鼓の鳴り響く音を懐かしくも思い、そのポンポコポンの音が存在するであろう場所を、今回、訪ねてみる事にした。
そう、ここは狸の焼物(置物)で有名な滋賀県甲賀市の信楽町である。今回訪ねたときは、沿道にある桜並木の花が満開で、とても心地よい雰囲気の中で、その場所は迎え入れてくれた。 そして、この信楽町に着いて最初に訪れたところはこの信楽でも代表的な場所と思われる信楽高原鉄道の信楽駅である。
この信楽高原鉄道は甲賀市内にある貴生川駅から信楽駅までの単線で、その全長は14.7q足らずを第三セクター方式で運営されているそうである。この信楽高原鉄道の線路は貴生川駅を出ると山岳地帯に入り、標高は高くないと思うのだが、その山間の風景はその高原感を味合わせてくれるのである。そして、信楽駅はその一方の終着駅であり、それを表すものとして線路上には車止めが施され、哀愁を醸し出すには十分な演出がそこには存在する。そして、この駅前には高さ5mと云われているファッション(布を巻いたもの)を施された陶器で出来た巨大な狸像がそそり立っている。
この信楽駅はその信楽高原鉄道の本社が隣接し、少し近代的なモダンな作りになっている様に見え、プラットホームは終着駅にふさわしく、ホームが2本有り、その一方のホームには常駐と思える列車が置かれており、それには忍者と命名されたペイントが施されていた。そしてその列車に併せてホームには、この駅を訪れた観光客の為にと思われる陶器で出来たカラフルな狸が、大小併せて所狭しと何体も飾られていた。
ただ、ここで少し驚いたのは駅構内での写真撮影は入場料200円が掛かるという事である。それを払わないと駅構内には入れないシステムのようであった。同じ様な観光列車を運営している岐阜県恵那市にある明智鉄道を訪ねたときは、構内に止まっているデコレーションされた車両を撮影するために構内に入る為の料金は発生せず、駅員さんの了承を得て無料で入ることが出来た。しかるにこの信楽駅は巨大な駅舎でもなく、ごくありふれた田舎の駅舎で、周りからも構内が見える環境で、何故、信楽高原鉄道は入場料を取って構内の観覧を行っているのかと・・・。 不思議に思い、気づいたことは、ここは関西地区で大阪人特有の商いで、お金に固守し、駅の構内も観光資源の一環として料金を徴収するシステムなのかと・・・。その駅舎の中でも、お土産物屋さんが営業していたが、そこで購入する気持ちは沸いてこなかった。 それからもう一つ気が付いた点は、今の日本ではどこにもある光景なのだが、この駅前広場でも団体客用のバスが止まっており、近くの食堂にはその団体客用なのか迎え入れる体制が整っているような店構えが見受けられた。中国等からのインバウンドという訳の分からない観光客の群れがそこにもいたように思える。あまり気分が良いものではないと思うが・・・。
ここで少し町並みについて語っておこう。幹線道路沿いには所狭しと陶器屋さんが軒を並べ、その店先にはやはり大小併せた様々な狸の置物が置かれており、中々面白い光景を見させて頂いた。また、脇道に入ると色々な窯元さんがあるようで中々飽きのこない町がそこには有るようである。 そして、その続きではないが信楽焼きがどの様な物かが解る施設がある。それは滋賀県立「陶芸の森」である。信楽焼きの歴史や成立ち等が紹介されており、この施設の中には陶器制作の体験コーナー等も併設されており、多くの方が利用されているようである。そして、施設のその周りは、散策が出来る自然豊かな公園にも成っており、公園の中には狸のアート作品やその他のオブジェが至る所に置かれており来る者に飽きを来させない演出が施されている様である。大きな敷地を散策するのもいと楽しいものである。
最後に、今回は信楽焼きの後で三重県桑名市にあるイルミネーションで有名な「なばなの里」に立ち寄った。そこには聞きしに勝る光のオブジェが司る強大なイルミネーションが存在した。一時の清涼と心の潤いを感じさせて頂ける場所であったと付け加えよう。 Photographer 岡田 朗
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