【a_talk-episode 68】

・・・Museumと宵を奏でる古い街並を訪ねて・・・
  先月号でお話ししたが、岐阜県高山市の乗鞍山麓で開かれた公益社団法人・日本シェアリングネイチャー協会(旧 社団法人 日本ネイチャーゲーム協会)が主催をする全国規模のネイチャーゲーム等に携わる各リーダー達の大会の取材でお邪魔した事を伝えた。そして、それに伺う前と後で少し高山市を見て回った。その事について少し語ろう。


 平成29年6月2日(金)に開催され、天気は快晴とはいかず、少し雲の多い日ではあったが、高山市は観光都市である。そこはそこ、天気が悪くても見て面白いものが沢山あるのである。


 先ずは癒しのテディーベアミュージアム、テディベアエコビレッジである。少し足を延ばすと飛騨高山で有名な場所で飛騨の里があるが、今回はこのテディベアーのミュージアムで足を止めた。このミュージアムは築180年の合掌造りの古民家を再生して造られたものと聞き、外観〜内観等、心が癒される観覧レイアウトに成っているのである。所狭しと展示されたテディベアー達など歴史のある貴重なものや著名な作家の作品等が約1,000体は有るそうで、その愛くるしい姿は心を和ませるのである。各ブースの展示物や、中庭には小屋の教会らしきものがあり、ベアーの容姿が織りなすその姿に、暫しその時間を忘れるのである。また、ここにはショップとカフェが併設されておりここを訪れる者に飽きを来させないような演出が成されているのである。思わずテディベアーが可愛く思え、手に取ってしまった・・・。


 そして、次に訪れたのは、その目と鼻の先の高台にある現代アート建築の洒落た建物で、その玄関脇にはイギリスの洒落た2階建てバスが出迎えてくれる。そして、水面で囲まれたその建物は飛騨高山美術館だ。(こんな処にこのようなものが建っていることに少しの驚きがわき上がったが・・・)建物内を見学するには少々値の張る入場料成るものが必要だが、その価値に値するだけの展示物がある。


 先ずは、1900年のパリ万国博覧会から1925年のアール・デコ博覧会あたりで制作されたとされるパリの街に施された噴水である。(現存するこの様式の噴水はここと含め2機しか残っていないそうである。)上品さが際立つこの部屋では時たま結婚式が行われるそうである。そう言えば、この博物館には、これも格調の高いレストランが併設されている。高山市民の一つのステータスかも知れない・・・。少し逸れたので元に戻るが、この博物館にはこの噴水も含めアール・ヌーヴォーとアール・デコから現代のガラス等ガラス作品達が所狭しと飾られている。また、ここにはガラス作品だけではなく19世紀末インテリア館成るものも存在し、そこにはその時代に生きた作家達の部屋が紹介されている。(エミール・ガレ、ルイ・マジョレル、チャールズ・レニー・マッキントッシュ等)これらは、常設展として飛騨高山美術館で貴重な展示物と聞く。時間はあっという間に過ぎ、乗鞍でのイベント開始時間が迫ってきたので、一先ずここを出て乗鞍山麓に向った。


 今日の締めくくりとして、イベント終了後、高山市内に戻ったのは夕方の6時を少し回ったが、この地の有名な観光スポットである古い街並を訪ねた。さすがに時間が時間だけに観光客はまばらで、時たま中国系と思われる観光客やヨーロッパ系の観光客と出会った。古い街並(上三之町と道標にあった。)は約40年前と変わらないその佇まいを見せていた。やはり観光地と言っても田舎なのか午後7時にも満たない時間で有ったにも関わらず、多くの店はその戸を閉めていた。黒い壁、黒い格子枠等黒で演出された街並風景。ただそれでもその古い街並みが醸し出す雰囲気は十分に堪能できる思えた。


 最後に、昨今幾多の観光地と称される場所で目にするのだが、多くの観光客に媚を売る地元の民を見かける。そうではなく威風堂々とそこで暮している姿を表現して頂きたい。それがまた観光客にとっても心地良い体験なのである。

 Photographer 岡田 朗



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